セフィロス先生 11

「…そうか、ここはこうやればいいのか。」
「詰まったら最初にもどれ、違う道が見えて来るから。」
セフィロスは画面を見ながらアドバイスする。
「でもよくできているぞ、ここまでお前の歳で一人でできるなんてなかなかいない。」
にっこり笑うセフィロスが眩しい。

あの日から何日たったろうか…
突然セフィロスに捕まって、強制的にドライブにつれていかれ、そして…
あの日車の中で聞いた『Ju te veurx』の曲はしっかりコピーしてもらってヒマさえあれば自宅で聞いている。
セフィロスの気持ちが解らなくって、もんもんとしてた日々が嘘みたいだ。

『おまえは特別だ、そういったろ?』
『愛してる、愛してるクラウド』
セフィロスの言葉を一つ一つ思い出す度に身体が火照る。

あの日から学校の帰りに、セフィロスの部屋で仕事をするのが日課となった。
仕事との合間に二人で夕食をとって、たわいもない話をいたりする。
セフィロスのアメリカ土産のあまりの高価さに、びっくりしたりしたけど

『セフィロスこんな高そうなのオレもらえないよ、それに学校ピアス禁止だし。』
『そうか、それじゃあ、卒業までこれは預かっておこう。卒業したらオレがピアスホール開けてやる。』
『えー!?痛くない?』
『痛くないぞ…初めての時よりはずっとな。』
意味シンにウインクされ真っ赤になった。

『セフィロスのスケベ!!』
『他の奴に開けさせるなよ、どんな事でもお前の初めての男はこのオレだ。』
そうやって笑ってキスしてくれたセフィロス。
うん、オレもそうじゃなきゃイヤだ。
とっても幸せ…でも少し気になる事がある。

「もう9時になるな、送っていこう。」
「セフィロス、オレきょう泊まってもいいよ。」
「お母さんを一人にしないほうがいいぞ、それに今は『いい先生』と思われたいし。」
車のキーを取りにいくセフィロスの後ろ姿を見て、複雑な気持ちになる。

…どうして、あのあと一度もオレに触れてくれないんだ?
一度抱いたら、それで気がすんだんだろうか?
それともあれは単に、オレをなだめるためだったのか?

「どうしたクラウド変な顔して…」
「寂しい…」

少ししょげたクラウドを見て、セフィロスは困った顔をする。
「オレだって寂しいさ。」
肩を抱き寄せて、軽く舌を絡ませるキス…
もっと深くして欲しいのに、セフィロスは貪る様なキスはしてくれない。

やっぱりオレ、本気で相手にされてないのかな?
考えると胸が痛くなるので、考えないようにしてるけど…

…ったく人の気も知らないで…
クラウドを送った後、自宅に戻ってシャワーを浴びながら、 セフィロスはため息をつく。
…おまえが卒業するまでは、オレたちの関係がバレルわけにはいかないだろーが!!

自分はバレても一向に構わないが、まだ『未成年』どころか法律上は、『児童』であるクラウドだ。
周りから好奇の眼で見させるわけにはいかない、それに母親の事もある。
それに万が一バレたら、クラウドの側にいられない、それだけはさけたい。
だから、無いに等しい自制心をフル活動させているのに…
同じベッドに寝て、今までのようにただ、腕の中に抱き締めているだけ、なんて真似は絶対にする自信がない。
キスする事でも、自制心のタガが外れかけるので、極力軽くしかしていないのに…

今又抱いたら、絶対に翌朝起きられない状態にする自信がある。
滅茶苦茶にしてしまう…

あの後しばらく、体育にでれないとぼやいていたろーが!!
そんな事続けていたら、バレるだろーが!!
部屋に二人でいるだけで、おまえに触れたくてたまらないのに…

あの時のクラウドの上げた嬌声…上気した顔…滑らかな肢体…
そして甘やかに、自分を包んだ潤んだ内壁…
思い出すだけで、理性を食い破られそうになる。

…オレは毎日、非常に困った事になってるんだぞ…
自分の足の間でしっかりと存在を主張している分身を見て、セフィロスは又一つため息をついた。

「クラウド、今度の土曜日休みだろ?何か用はあるか?」
いつものように、セフィロスの部屋で仕事していると、突然セフィロスが聞いた。
「ううん別に無いけど…」
「そうか?じゃあちょっと昼から、つきあってくれないか?」
クラウドはちょっとドキッとする。

「どこか行くの?」
「ああ、おまえスーツとかもってないよな。」
「持ってるわけないだろ!シャツとジーンズじゃだめ?」
珍しく、ちょっと真剣そうなセフィロスに、少し戸惑いながら答えた。
「よし、スーツの準備が先だな、今からいくぞ!」

びっくりする間もなく、オーダーメイドの店に連れていかれ、 生まれて初めてスーツの採寸をしてもらった。
高そうなその店を後にしながら、思いきって聞いてみた。
「セフィロス、どうしてスーツがいるの?」
その時の、ちょっとはにかんだセフィロスの顔…
「あって欲しい人がいるんだ。」
…だれだろう?

土曜日、あんな高いスーツを家に持って帰って、言い訳するのが面倒くさくて、 セフィロスの部屋で着替える。
エメラルドグリーンに、ブルーの線が混じったチェックのスーツだ。
セフィロスが散々選んでくれた生地、薄いピンクのシャツがよく映える。

「オレ、ネクタイ結べないよ。」
そう言って、シャツの第一ボタンを外して、首からネクタイをたらしたクラウドは、信じられないくらいの可愛さで…
気が付けばそのまま抱き締め、息もできない程の口づけを交わしていた。
シャツの間から手を滑らせ、胸の飾りを弄ぶ …

「…あ…ふ…」
軽く震えだす身体をソファーに横たえて、首筋に唇を這わせる…
セフィロスが、理性を完全に捨て去ろうとした時、電話が鳴った。
びくっとして、セフィロスの手が止まる。

「もしもし…」
ちょっと不機嫌そうなセフィロスを見て、クラウドは赤くなりながらも クスッと笑う。
…ちょっとシワになっちゃったかな?

「All right…allright Professor…」
…え?英語?
クラウドの心に、イヤな靄がかかりはじめた。