| Je te veux… ずっと一緒に… |
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| 「疲れたか?」 ようやく全ての客が帰って、大きく一つため息をついたクラウドの肩を、セフィロスは優しく叩く。 「うん、ちょっと、オレ顔洗ってくるよ。」 ひらりんと裾を翻し立ち上がったクラウドを、すかさずお姫さま抱っこしてセフィロスは満足げにソファーに座った。 「ちょっと、何するんだよ!」 「やっとゆっくりできるんだ、少しは堪能させろ。」 「なんだよ、堪能って!」 ふてくされるクラウドをしり目に、セフィロスは人の悪い笑いを浮かべた。 「似合ってるぞ、それ。」 「ふん!」 クラウドがふて腐れるのも道理、今着ているのはピンクのカクテルドレス、着せられて喜ぶ男はまずいないだろう。 「言っとくがオレは無実だぞ、これはエアリス達の企みだ。」 「どーだか!」 セフィロスは、ぷいと横を向いた柔らかい頬を優しく突く。 「クラウド、クラウド…」 ぶすっとして振り向くと、ひどく優しい眼差しをしたセフィロスと目があった。 「愛してる、クラウド。」 蕩ける様な甘いささやき… 「ん…オレも…」 自然と唇が重なる。 触れあった最初は少し冷たく感じるセフィロスの唇、しかしそれはすぐに熱くなって、差し込まれる舌とともに優しく全身を包むのを、クラウドはよく知っている。 その感触に溺れながら、クラウドは身体の緊張がゆっくりと解けていくのを感じていた。 やっぱり知らない人たちの中でかなりのストレスだったらしい、セフィロスの腕の中にいるとひしひしとそれを感じる。 「やっと二人きりだな。」 ゆっくり唇を外しながら、セフィロスが囁いた、形のいい長い指がクラウドの金色の髪を優しくなでる。 「うん、やっぱ疲れちゃったよ。」 クラウドがため息をつくと、セフィロスが思い出した様に笑う。 「しかし、エアリス達もよくやるな、なんか企んでいるとは思っていたが、まさかこんな事をするとは…」 セフィロスがぴらりと、ドレスの裾を捲ると、クラウドが真っ赤な顔をしてセフィロスの手をぴしゃりと叩いた。 「そういや、よくも人前であんな事してくれたな!」 「何を言ってる、あれは純然たる結婚式のセレモニーの一つだ。」 にやりと笑うセフィロスが憎たらしい。 そもそもなんでクラウドがドレスを着ているのか、話を戻すと… 「きゃー!ごめんなさい!!」 エアリスの慌てた声があたりに響く、クラウドは水浸しになっていた。 ちょうど9月からクラウドが入る講座の教授に、セフィロスが紹介した所だった。 緊張して少し強張った顔をしたクラウドに、いきなりエアリスが声をかけた、振り向いたとたんに頭から水を被ったのだ。 「え?え?何…?」 びっくりして目をぱちぱちさせるクラウドに、エアリスがごめん、ごめんと謝り続ける。 「花瓶のお水かえようとしてたんだよ、お花が元気なかったからね。」 「ほおーーっ」 セフィロスがじろりとにらみ付けた。 「今ごろなぜそんな事をするんだ?」 あっというまに周囲を凍り付かせる、極低温な声…しかし、エアリスはけらけらと笑うだけ。 「そーんなの、今気がついたからに決まってるじゃない♪たーいへんクラウド、早く着替えないと風邪引いちゃう、こっちこっち。」 絶対零度のセフィロスの機嫌をものともせずに、ずりずりとクラウドを引っ張っていけるのはエアリスならではだろう。 おかげでクラウドは、逆らう間もなく別室に連行されてしまった。 「さあさ、濡れたもの脱いで、脱いで、髪も乾かさなくっちゃ♪」 あっけにとられて言われるままに服を脱いでいると、渡されたのはピンクのドレス… 「ちょっと、エアリスこれ…」 「いいでしょう!私の結婚式のドレスと色違いのデザインなのよ、うっふっふ♪」 「ちょっと待てよ、なんでオレがドレス…」 「がたがた言わないの、お客さまを待たせたら悪いでしょうが。」 「だからなんで…」 クラウドに最後まで言わせずに、エアリスはさっさとクラウドを剥いてしまうと、ピンクのドレスを着せてしまった。 呆然としているクラウドがハッと気がついた時には、綺麗に髪もセットされ、ほんのりメイクもされていた。 「きゃー綺麗にできた♪可愛いわよクラウドvv」 「可愛いって、おい…」 またもや問答無用で客の前に引きずっていかれ、クラウドはもはや逆らう気力もない。 「クラウド…」 途中でクラウドを連れていかれ、不機嫌120%でザックスに絡んでいたセフィロスは、ドレス姿のクラウドにあんぐりと口を開けてしまった。 「どう?可愛いでしょ♪」 一人ご機嫌なエアリスに、ようやくクラウドはセフィロスの大事なお客さまの前で、女装をしている現実に気がついた。 「何させるんだよ!オレ着替えてくる。」 慌てて逃げようとしたクラウドの手を、エアリスはしっかりと握って離さない。 にっこり笑うと、背中を押してセフィロスの腕に渡した。 「だめだよ、今からが肝心なんだから、セフィロスしっかり捕まえておいてね。」 その言葉に何かピンときたセフィロスは、じたばた暴れるクラウドをにやっと凶悪に笑ってしっかりと抱き込んだ。 「さあさ、みなさん。」 エアリスの陽気な声が室内に響く。 「今から、本日のラストイベント、『ガータートス』を始めます。」 とたんに室内でわーっと言う歓声があがった。 …ガータートスって…ああ!…ちょっと待て!! この間のエアリスの結婚式を思い出し、クラウドは真っ赤になった。 「では独身男性のみなさん、前に出て下さい。」 クラウドはじたばた暴れるが、セフィロスは離さない。 「クラウド、これもセレモニーの一つだ、あきらめろ。」 耳元で囁く様に言われ、しぶしぶ頷いた。 ガータートスはいわゆる花嫁のブーケトスの花婿版だ、花婿が花嫁のガーターベルト(靴下留め)を外して放り投げ、それを受け取った男性が次に結婚できるというわけだ。 エアリスの結婚式の時もザックスがぴらっと、エアリスのスカートをめくり、膝のところに嵌ったガーターベルトを外して放り投げていた。 …ん?膝??… そこでふとクラウドは気がついた、さっきいやがるクラウドにエアリスがむりやり嵌めたガーターベルトは太腿の上だ…という事は… …いいけどさ、もう…オレ男だし… 人前でスカート捲られたってなんぼのもんじゃい!とクラウドがすっかり開き直った時、エアリスが笑顔でセフィロスに囁く。 「セフィロス、ここは一つ本格的なガータートス、やってね♪」 「そのつもりだ。」 …本格的??? 人の悪いセフィロスの笑顔…いやスケベったらしいと訂正しよう…に嫌な予感を感じるクラウドだが、もう逃げ出せない。 「さあ、セフィロス、どうぞ。」 エアリスが声をかけると同時に、セフィロスはいきなりしゃがみ込むと、クラウドのスカートの中に潜った。 「わ!!!セフィ!!…」 抗議しかけるクラウドだが、内股をなでられて思わず感じてしまい、それ以上の声をだせない。 それをいい事にセフィロスは、めったに探検できない世界を堪能し、ゆっくり掌をはわせながら太腿のガーターベルトを外していった。 もちろん、ついでに唇でいたずらするのも忘れない。 「…も…セフィ…ちょ…ん…ん」 クラウドが顔を紅潮させ、身をよじらせる。 漏れ出した甘い声に、これ以上ほかの奴に聞かせるのはもったいないとばかりに、セフィロスはガーターベルトを片手にスカートの中から這い出して来た。 あのセフィロスが人前でスーカートの中に潜り込む? 客はみんなびっくりしている、しかも中で何をしていたかは、クラウドの様子をみていればすぐ解る。 そんなにもこの少年に本気なのかと、改めてみんな感心したのだった。 セフィロスはセフィロスなりに、周りの人間に対する牽制のつもりだったのだが、されたクラウドはたまらない、あのあとセフィロスが投げたガーターベルトが、だれの手に渡ったのかも知らないくらい真っ赤な顔で俯いていた。 「はーいもらった人は大事にね、絶対幸せになれるから、じゃ、お二人さん、もう一度キスを♪」 エアリスの台詞にふっと我に返り、間近に迫ったセフィロスの顔を思いっきりぶっ叩いたのだ。 「いい加減にしろ!このセクハラ教師!!」 そのあと、場の雰囲気が一気に和んで、みんな気軽にクラウドに声をかけてくれるようになったのだ、だからついそのままドレスを着続けていたのだけれど。 思い出すだけで恥ずかしい、クラウドは思いきりセフィロスを睨みつけた。 「あんた撫でるだけじなく、舐めたりキスマークつけたりしただろう、オレの脚に!」 「そりゃ、そうだ。」 セフィロスはクスリと笑って、スカートを捲りあげ、現れた形のいい脚に手を這わす。 ぴくんと強張ったクラウドの身体を抱きしめ、砂糖菓子より甘く囁いた。 「目の前に、こんなすばらしいものがあって、オレが手を出さずにいられると思うか?」 そのままゆっくり這い上がってくる掌に、クラウドは潤んだ瞳でじっとセフィロスを見上げると、見つめる熱い情熱を秘めた翡翠の瞳… もう、逆らえない、もうあなただけのものだよ… かすれるような甘い吐息と共に呟く。 「このセクハラ…エロ教師…」 「おまえ限定だ…おまえだけだ…」 ゆっくりと唇が重なり、セフィロスの掌がスカートの奥に忍び込み… 二人のあまーい新婚生活はこうして始まったのだった。 End♪ back top |
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