| Je te veux… ずっと一緒に… |
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| ゆっくり意識が浮上する、目覚めるちょっと前の優しいまどろみのひととき。 素肌に触れる心地よいシーツの感触と、ブランケットのぬくもりは、いつまでもこうしてくるまっていたいと思う。 そして背中に回る形のいい腕…この中にいれば安心できる、どんな事にも耐えられる。 クラウドはくすっと笑うと、頬に触れるたくましい胸に、すりすりと無意識に顔をすりよせた。 「こら、くすぐったいぞ。」 切なくも甘い、よく通るバリトン… …オレのセフィロス… まだ半分夢の中のクラウドは、甘える様に唇を寄せる。 「クラウド…クラウド…オレを朝っぱらから煽ると、今日の予定がパァになるぞ、それでもまぁ、かまわんが。」 予定?…そんなのどうでもいいよ、ずっとこうしていたいよ…今日の予定…??あーーー! はっと急激に意識が浮上した。 ぱっちりと目を覚ますと、見なれた翡翠の瞳がやさしく覗き込んでいた。 「…あ…おはよう、セフィロス。」 「ようやく目を覚ましたか、ねぼすけめ。」 くすくす笑うセフィロスに、クラウドは罰の悪そうな顔をする。 「だってしょうがないじゃないか、ゆうべ結構無茶したくせに。」 「甘い声でねだったのは誰だ?」 「し、知らないよ!!」 赤い顔をしてそっぽをむくクラウドを、セフィロスは笑いながら抱きしめる。 「すねるな冗談だ、愛してる、クラウド…こっちを向いてくれ。」 ぶすっとした顔のままセフィロスの方を向くと、朝から濃厚なキスをねっとりと口唇に落とされた。 「…もう、朝っぱらから…」 息を乱しながらクラウドはブツブツ言うが、その顔はまんざらでもない。 こんなたわいもない会話を繰り返しながら、朝を迎える様になってもう1年以上たつ。 「おまえからは、してくれないのか?ん?」 優しく笑う翡翠の瞳、かけがえのない自分の半身… クラウドは両腕をセフィロスの首に回すと、ゆっくりと唇をあわせて舌を絡めた。 伝わってくる体温、泣きたくなるほど切ないセフィロスの香り… このまま溺れてしまいたい… やば…まじに流されそうだ… クラウドがお名残惜しそうに唇を外すと、セフィロスはふっと笑ってもう一度ちゅっと音を立てて口唇にキスをした。 「いつまでもこうしているとキリがないな、用意するぞ。」 「うん。」 ベッドからおりるセフィロスの、一糸まとわぬ背中を見るのにも慣れて来た。 だけど、慣れて来たのと恥ずかしくなくなるのとは、また別で… 無駄なぜい肉が全くついていない、モデルのような見事な背筋に、夕べ自分がつけた爪の跡が、くっきり残っているのをみつけたりすると、もう顔を合わせるのも恥ずかしくなってしまうのだ。 「どうした?シャワー浴びないのか?」 「うん、先に行ってて、すぐ行くから。」 もう身体の隅から隅まで、セフィロスに知られていないところはないと言うのに、未だに朝日に中に裸体をさらすのは、恥ずかしい。 セフィロスも十分にそれを解っているので、無理強いはしない。 「解った、はやくこいよ。」 浴室に消えていくセフィロスの後ろ姿を見送りながら、クラウドはナイトガウンに袖を通した。 改めて部屋を見渡す。 …まだ2か月か… 卒業して渡米したのが5月の終わり、今は8月、たった2か月しかたっていないのに、セフィロスが自分と二人の生活のために用意してくれたこの家は、ずっと住んでいたかの様な奇妙な安堵感をもたらしてくれる。 今まで母と住んでいた、もう住む人もいない家は、管理を信用できる会社に委託して来た。 そして、一応伯父たちにも渡米して留学すると言う旨の連絡を入れた。 もちろんセフィロスとのことは内緒だが、それでも留学先がハーバードと聞いてびっくりした伯父たちは、困った事があったらすぐに帰ってこいといってくれたのだ。 それが100%の言葉かどうかクラウドには解らない、本当に頼ったら無下な扱いをされるかもしれない。 それでもクラウドは少し、嬉しかった。 「本当にあっという間だったな…」 3月に卒業して、渡米するまで2か月あったと言うのに、前述した家の管理やら、パスポートやら、長期滞在ビザやらの、留学するための手続きの各種書類… 全部セフィロスに任せていたけど、それでも提出する書類の多さに頭を抱えた。 そして、日本を発つ前にどうしてもしておきたい事があった。 それは…セフィロスの両親に会う事… 『クラウド、セフィロスの両親に絶対会っておくのよ、絶対よ。』 内緒でこっそり電話をかけて来たエアリスの言葉に、つられたわけではなかったが、クラウド自身も一度会っておきたかった。 そしてそう告げた時に、冷たく固まったセフィロスの顔…まるで本当に氷の彫像でできているかの様な… 『ごめん…むりならいいよ』 怒らせたと思って謝るクラウドに、瞬時に表情を戻してセフィロスは寂しく微笑んだ。 『いや、オレがおまえの望む事をかなえないはずがないだろう?』 そしてセフィロスの両親にあった時、初めてセフィロスの底知れない孤独を知ったのだ、セフィロス自身ですら気付かないほどに、さらさらと堆積していった深い孤独に… 「クラウド?何してる?」 「あ、ごめーん!今行くよ!」 呼びかけられた声で我に返り、ベッドの上から飛び下りてバスルームの扉を開けると、いきなり抱きしめられた。 「な、なにするんだ!?」 あせるクラウドにセフィロスは凶悪に、にっこりと笑う。 「あんまりおまえが遅いから、寝た子がおきてしまった、責任とれよ。」 ガウンの中に忍び込む明確な意志をもった指に、クラウドは慌てて叫ぶ。 「駄目だってばセフィロス、今日の予定が…ぁあん…」 「解ってる、だから一回だけ、いいだろう?」 もう既に流されそうになりながらも、ジト目でにらむクラウドの唇に、セフィロスはちゅっと音を立ててキスをする。 「…もう…しょうがないなぁ…んふ…んん…一回だけだよ。」 こうなったらお互いにもう止めようったって止まらないのは、今までの経験でよく解っている。 クラウドは自分から、ぱさりとガウンを足下に落とした。 |
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