君 死にたまふ事なかれ
しんしんと雪が降る、この人工都市でも、天気の調節まではまだできない。
テレビをつければこの雪で、で交通機関に、大分支障が出ていることを、アナウンサーが場所を変えては告げる。

時計を見てため息をつく、次に電話が鳴るのを期待して…またため息をつく…
もう何度この意味のない動作を繰り返しただろうか?
執務室でも同じ事を繰り返し、とうとう部下達に『心身虚弱状態のため』と訳の解らない理由を付けられ、勝手に早びけの手続きをとられてしまった。

「おい、こんな理由で、人事が通すと思うか?」
「通さなかったら、オレたちで人事に掛け合うさ、この状態のセフィロス隊長と仕事をしたら、オレたちが参っちまうとな。」
一番年長の部下に笑いながらそう言われ、バツの悪い顔をする。

「隊長のそんな顔見ながら仕事する気にはなりませんって、大人しく帰ったらどうです?」
日頃寡黙な別の部下から、からかう様にそう言われ、ますます立つ瀬が無くなる。

「隊長、ここで待っても、家で待っても同じと思っているのかもしれませんが、家で待ってたら、『お帰りなさい』って、迎えてあげれるんですよ。」
日頃からもの言いの丁寧な3人めの部下から、いつにも増して丁寧に促され、セフィロスは正宗を手にとると、渋々立ち上がった。

「にーさん、今日中に戻ってこなかったら、明日は朝から来なくていいぜ、親父達とで、ここの仕事はなんとかなるからさ、でもあんたも過保護だね。」
一番年少の部下にからかう様にそう言われ、何か言い返そうとするが、それより先に本が飛んで来た。
「…って…!なにすんだ親父!」
「そのくらい避けれんのかザックス、だれが親父だ、執務室内では役職で呼べ。」
「はーい副長。」
年長の部下はいたわる様な視線を、セフィロスに投げかける。

「冗談抜きで隊長、もし今日中に戻ってこなかったら、明日は朝から休んでいいぞ、この雪だ、輸送隊も遅れが出るだろう。今あんたの決済を仰がなきゃいけない様な仕事はないからな。」
「そうは言ってもだな…」
「いいから、たまには私たちに甘えなさい。なんの為に『カルテット』と呼ばれているのか解らないじゃありませんか。」

…オレはそんなに情けない顔をしていたのか?
自嘲ぎみに薄く笑うと、セフィロスは答えた。
「解った、任せる。緊急時には連絡をくれ。」
ドアを開けて外に出ようとした時、又声がかかる。

「にーさん、もとい隊長!大丈夫だって、多少遅れているだけだって、あいつのすばしっこさは知っているだろ?」
「そうそう、うちの秘蔵っ子を信じてやれ、あいつはオレたちとのミッションにもちゃんとついて来れるんだ。たかだか進級資格をとるだけのミッション、へでもない。」
「部屋を暖めて、好きな物を作って待っててあげなさい、きっと疲れきって帰ってくるから。」
「帰って来たら『ご苦労さま』って言ってやって下さいよ、隊長そういうの鈍いから。」
セフィロスは冷たい視線で4人をひと撫でする。
「お前たち…オレは子供か?」
「子供の方がまだましだ。」
最年長の部下がそう言うと、みんなでどっと笑う。

神羅広しといえど、セフィロスにこんな口をきけるのはこの4人だけだろう。
神羅の誇る『英雄セフィロス』そして、英雄の部下の『カルテット』
セフィロスが認めた、最高のファーストソルジャー達。

「冗談はさておき、早く帰れ、な」
「…あとは、頼んだぞ。」
これ以上ここにいても、からかわれるだけだと悟り、セフィロスは大人しく家に帰った。

家に帰ってシチューを作る。
コーンと鶏のクリームシチュー、仕上げの生クリームは入れずにおいて、コトコトと、弱火にかけてじっくり煮込む。
気温が低いから、生野菜はいただけない、ブロッコリーとカリフラワーをさっと茹で、マッシュルームとボルチニをオイルで炒めてホットサラダに…
彩りが悪いな、ボイルドソーセージを添えてみる。
食べる前に温めて、プチトマトを飾ろう、ポーチドエッグを落とすのも好きだったな…
ソースは温かいオランディーヌソースにオイルサーディンを刻んで…
生クリームとスモークサーモンでムースを作り、クラッカーを添えたものを用意して…
もともとセフィロスの酒のつまみなのに、横から食べ尽くす程の好物だ。
これなら骨ごと食べられると、喜んでいたイワシのマリネも出しておく。
デザートの温かいスフレは、準備だけをしておいて…ああ、苺も買っておいたな…

…夕飯の準備はもうすんだ、部屋は暖めた、新しいパジャマも出しておいた、風呂はいつでも入れるぞ…クラウド、早く帰って来い。

窓に目をやれば、一面の雪、雪、雪…
セフィロスは軽く舌打ちをする。
ここでさえこんなに降っている雪、輸送隊はきっと遅れるだろう。
クラウドがミッションに出かけてもう10日以上たつ。
本当は3日前には帰って来ているはずだった、しかし…いまだクラウドは帰ってこない。

ミッション自体は簡単なもの、士官学生の進級単位のための小規模なミッション。
しかし行った場所が問題で、いつもの年より多く降った雪は雪崩を引き起こし、クラウドの所属する小隊を孤立させた、そこで思わぬ大型のモンスターの襲来…通信機が壊れ、全く連絡がとれなくなった。
その連絡を受けたのが6日前、隊の無事が確認できたのがさらにその2日後…
その間、見かけは普通通りに通常業務をこなしながらも、セフィロスは全く眠れなかった。いや、正確に言うと、クラウドがミッションに出かけたあの日から、ぐっすり眠る事はできなかった。
いつもの部隊のミッションなら、側にいていつでも守ってやれる。しかし、遠く離れた今、こんなにも自分は無力だ…
無事は確認できたものの、軽傷者の中にクラウドの名前を見つけ、その程度が解らずますますセフィロスは焦燥を強くした。

『大丈夫だって、自分で動けるくらいの怪我だろう?』
『あの子の事です、きっと誰かをかばいでもしたんでしょう。』
『にーさん、モンスターにやられた重傷者のリストは、ちゃんと別にあるぞ。』
『隊長、心配しすぎですって、あとでクラウドに笑われますよ。』
それぞれの言葉で慰められ、初めて自分がひどく消耗しているのに気が付いた。

そしてこの雪で遅れに遅れて、やっと今日、帰ってくると連絡を受けた。
しかし、予想以上の雪は、各地で輸送隊の足を鈍らせている。

ミッション中は機密保持のため、プライベートな連絡は一切とれない、そしてミッション終了は、本部に戻ってくるまで。
士官学生の進級ミッションは、治安維持部門の管轄だ。そこに所属しているとはいえ、ほとんど独立した形をとるソルジャー連隊とは、非常に仲がよろしくない。
そのせいか嫌がらせかと思う程、流れてくる情報は少なかった。
ソルジャー連隊の隊長である自分が、すすんで規律違反をするわけにもいかず、セフィロスは又、時計を見上げた。

もう時計は8時をまわろうとしている。
今日何度めかのため息をついて、手持ち無沙汰のセフィロスはテーブルの上に放りだした本を取る。
それは古い詩集、クラウドの舞台が遭難したと聞いたとき、すぐに駆け付けたがる自分の感情を素直に受け入れられなかった…仕事に私情を混じえる…今までなかった自分の醜態に混乱しかけていた時に、宥める様に部下から渡された、ウータイの昔の女流詩人の詩集。

『昔から残された家族は、祈る様に無事を願って来たんですよ。隊長のその感情は人として当然のものですよ。』

ああ、おとうとよ 君を泣く 君、死にあまふことなかれ

末に生まれし君なれば 親のなさけはまさりしも

親はやいばをにぎらせて 人を殺せと教えしや

人を殺して死ねよとて 二十四までを育てしや


堺の街のあきびとの 旧家を誇るあるじにて

親の名を継ぐ君なれば 君、死にたまふことなかれ

旅順の城はほろぶとも ほろびずとても何事ぞ

君は知らじなあきびとの 家のおきてになかりけり


この詩集には覚えがある、昔あの白い研究室で情操教育とかを受けた時に、確か紛れていた本だ。
あの時は記憶の隅に、とどめる価値すら見い出せなかった。
女々しい詩だと思った…だのに今、どうしてこんなに心に染みるのだろう…

怪我をしているのかクラウド…
どうしてソルジャーなんかになりたがる?
どんなに神羅が飾り立てて宣伝し、綺麗事を並べ立てようと、所詮人殺しだ。
一歩ソルジャーに近付くと言う事は、より多く人を殺すと言う事、
おまえの親だって、人殺しにしたくてお前を育てたわけではないはずだ。

…ただのわがままだが、オレは、お前の手が血でよごれていくのに耐えられない。

無事でいてくれクラウド…
いくら無事を伝え聞いても、直に姿を見ない限り、オレは安心する事ができない。
おまえの金髪が血に塗れ、華奢な身体が敵やモンスターの刃に晒される、まき散らされるおまえの血液と悲鳴を夢にみて、何度夜中に飛び起きた事か…
おまえがソルジャーを目指す限り、オレはあと何回も、こんな想いをしなければならないんだぞ。

凍えていないかクラウド…
オレの腕はこんなに暖かいぞ、胸にはぽっかり穴が開いたまんまだが、お前じゃないとこの穴は埋まらない。
多少成績に響いたっていいじゃないか、無理な進級試験のミッションはもう組むな…

クラウド…クラウド…
オレと二人どこか遠い所で、静かに暮らす気にはならないか?
……………

詩集を読みながら、らちもない事を考える、ぼんやりとそのまま寝室に入り、このところ、ほとんど使われていないベッドに腰をかけた。
あの日、ミッションに出かける朝、このベッドの中で、腕の中のクラウドはにっこり笑ってキスを強請った。

『しばらくできないだろ?おはようのキス、だから一週間分。』
出発時間が早いため、まだ夜が明けきっていなかった。
それでも、カーテンの隙間から微かに覗いた朝日に、金色の髪が輝いて、宝玉の様な蒼い瞳が切な気に揺れて、桜色の唇が自分から重なった。

クラウド、クラウド…帰って来てくれ…

どのくらいそうしていたろうか、微かに響くかちりとした音、玄関の鍵が開く音…
認識したとたんセフィロスは、部屋を飛び出していた。

「ただいま、セフィロス。」
ほこりと泥で、少しよごれた金髪、細かい擦り傷と軽い凍傷のあとが残る柔らかな頬、それでもにっこり笑顔でクラウドは玄関に立っていた。
「大変だったんだよ、雪崩で道は通れなくなるし、雪につられて普段はいないはずのモンスターは出てくるし…」

震える指先でクラウドの髪をかきあげながら、セフィロスは口を開いた。
「おまえ、怪我は?」
「うん、雪崩に巻き込まれかけた時、隣の奴が足滑らせちゃって、支えようとして妙な具合に捻っちゃったンだ。2、3日は歩けないくらい痛かったけど、もう腫れも引いたし、大丈夫だよ。」
見ればクラウドは、ひょこひょこと右足を引きずっている。

セフィロスはいきなりクラウドを抱きあげた。
「何するんだセフィロス、おろしてよ、オレ歩けるって…」
乱暴に足でドアを開けながら、そのまま無言でリビングに向かう、そっとソファーに座らせると、靴を脱がして足の状態を見た。
「腫れは減ってるな、だがまだ痛いだろ?」
「うん、でも大分ましになったよ。」
セフィロスは短く呪文を詠唱した、翠色の光がクラウドを包む。

「…セフィロス…このくらいの怪我でケアルガなんて過保護すぎ。」
呆れた様に言うクラウド、他にどこも怪我はない、生きている、無事だ…
全身の力が一気に抜ける様な安堵感…そのままぎゅっと抱き締めた。

「セフィロス?セフィロス?」
とまどうクラウドをだきしめたまま、セフィロスは言う。
「クラウド、しばらくこうさせてくれ、しばらく…」
「セフィロス…」
クラウドはおずおずとセフィロスの背中に小さな手を回す、その小さなぬくもりを感じ、セフィロスは呟いた。
「…良かった…暖かい…生きている…良かった…」
「セフィロス…心配掛けてゴメン…」
クラウドはセフィロスの胸に顔をすり寄せた。

どの位そうしていたろうか?
ようやく安心したセフィロスはクラウドから手を離す。
「おまえ食事は?」
「輸送機の中でレ−ション食べたよ、後で気持ち悪くなって全部吐いたけど。」
「夕食の準備はできているが。」
「え?ほんと?家に帰ったら、なんだかお腹空いちゃった、久しぶりだセフィロスの御飯。」
年齢相応の無邪気な笑顔を返され、思わず頬が緩む。
「仕上げをする間、風呂に入って来い。」
「うん、お風呂も久しぶり。」
ぽんぽんと頭を叩かれ、微笑むクラウド、柔らかい金髪を掌に感じ、安心と言う言葉を噛み締めていた。

風呂から上がって食事を済ませたクラウドを、しばらく使われていなかったベッドの中で抱き締める。
疲れきっているはずだから、今日は抱くつもりはなかったが、優しく触れる様に唇にキスを落とすと、クラウドの方から身をすり寄せて来た。
「セフィロス、オレ明日休みもらえたんだ…だから…ね…」
赤い顔をして、上目遣いに見上げるクラウド…
セフィロスは淡く微笑んで、啄む様に口づけをくりかえすと、シーツの上にそっと組み敷いた。

パジャマの前を開いて、滑らかな肌に唇を滑らし、掌全体で華奢な少年の身体を包み込む様に優しく愛撫する。
少し肉が落ちた身体に、心の中で眉をひそめながら、ゆるゆると、少年の官能を呼び覚ますように柔らかく慈しむ。
揺れだした薄い胸の、ツンと立っている紅い果実を指で挟み込み、つまむように揺らしてやれば、ぴくっと震える幼い身体。
もう片方も丹念に舌で舐ってやり、より深く快感をくみ出してやる。
たまらずクラウドの口から甘い声が、漏れだした。

「…あん…せふぃ…こうして欲しかった…ずっと…こうして欲しかった…んだ…」
胸の上のセフィロスの頭を抱き締めながら、クラウドはうっとりと呟く。
「…寒かった…恐かった…早く帰って…セフィロスの腕に包まれて…生きているって…実感したかった…」
「クラウド…」

愛撫の手を休めて顔を見上げれば、雫を一杯にたたえた蒼い潤んだ瞳。
何人か死者も出たミッション、ほとんどがクラウドと同じ少年兵だった…
クラウドの心を思って、胸が痛む。

はらはらと流れる涙を唇で受け止めて、セフィロスはクラウドに深く口付ける。
…良かったお前がその中に入らずにいてくれて…ここに生きていてくれて…
ゆるゆると愛撫を再開する、ゆっくりと、急がない様に…クラウドに快感だけを与えられる様に気をつけて。

寸断された補給路、倒れる仲間達、連絡もとれず雪の中に閉ざされて、どれだけ心細かった事だろう。
…それでも、おまえは又次のミッションに、自分から進んでいくんだろう…
一歩でもソルジャーに近付くために…
せめて今日はオレの腕の中で、好きなだけ啼いて安心して眠れ…
本格的に喘ぎ出したクラウドの身体を、セフィロスはゆっくりと貫くと、包み込む様に優しく抱いていった。

目の前に広がるのはただ白い、真っ白な世界、手足の感覚がだんだんなくなってくる。
…ああ、オレもうセフィロスに会えないかもしれない…
そんなのはいやだ!思わず叫んでいた。
「セフィロス!セフィロス!!」

「何だ?」
その声にふと目を覚ますと、見おろしている優しい翡翠の瞳…ああ、帰って来てたんだ…
「まだ、夜中だぞ、もう少し眠ってろ。」
嬉しくなってその胸に頭をすりよせようとして、薄い本が開かれているのに気が付いた。

「本読んでたの?」
「ああ、最近あまり眠れなくてな、睡眠薬代わりだ。」
「何の本?」
「ウータイの昔の女流詩人の詩集、戦争に行った弟を気づかう詩…」
そんな本をセフィロスが?不思議と興味が入り交じる。
「ね、読んでみて。」
セフィロスは困った様に笑う…笑いながらもゆっくりと詩を朗読してくれた。

「…ああ、おとうとよ君を泣く、君、死にあまふことなかれ。末に生まれし君なれば、親のなさけはまさりしも、親はやいばをにぎらせて、人を殺せと教えしや、人を殺して死ねよとて、二十四までを育てしや。
堺の街のあきびとの、旧家を誇るあるじにて、親の名を継ぐ君なれば、君、死にたまふことなかれ。旅順の城はほろぶとも、ほろびずとても何事ぞ、君は知らじなあきびとの、家のおきてになかりけり…」

クラウドにはさっぱり意味が解らない。
「どういう意味?」
「死なないで帰って来てくれ、末っ子に生まれた分、おまえの親は、十二分におまえを可愛がったが、おまえに人を殺させるために、その年まで育てたわけではないぞ、名誉の死を遂げさせるために育てたわけではないぞ…」

クラウドはじっとセフィロスを見つめる。
しばらく眠れなかったと言っていた、この本を睡眠薬かわりにと…
ずっとオレの事を考えていてくれた?ずっとオレの心配をしてくれた?

「…おまえはこの街で、由緒正しい家を継いで平和に暮らしていかねばならないんだ、たとえ国が滅びてもいいじゃないか、おまえには何の関係もない事だ、とにかく無事に生きて帰って来い…そういう詩だ。」
クラウドは熱い物を感じながら、セフィロスを見上げる。
「…ずっと…ずっとこの詩を読んでいたの?オレの事を考えて?」

その時のセフィロスの、優しい様な哀しい様な翡翠の瞳を、ずっとクラウドは忘れる事ができなかった。
「…君 死にたまふ事なかれ…もう二度とこんな思いはしたくない…」
「セフィロス…セフィロス…ごめんね…心配掛けてごめんね…」
クラウドはセフィロスの胸の中で、大粒の涙を流し続けた。


「クラウド、クラウド!」
「え?」
「どうしたの?そんなにあたしの朗読感動した?」
ここはウータイのユフィの屋敷、お嬢様に見えないとからかわれたユフィが、詩の朗読をやってやると朗読した詩…ウータイの古い女流詩人の詩、知らないはずなのに…
そんなもの知っているはずないのに…

クラウドの蒼い魔晄の瞳から、涙が、あとからあとから流れ出す。
「解らない…でも…止まらないんだ…止まらないんだ…」
ぼんやり浮かぶ翡翠の色、甘い様な、締め付けられる様な胸の痛み。

何度拭っても止まらない涙に、遠い昔の記憶がうっすらと蘇る。

「…ごめんね、心配かけて…ごめんね…。」

唖然とする仲間達の姿すらもう目に入らずに、誰知らずそう呼び掛けて…
クラウドはただ、はらはらと涙を流し続けた。

あの日と同じ様に、外にはただ雪が降っていた…



                     
Top




作中詩 「君死にたまふことなかれ」:出典 与謝野晶子